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外壁の塗装時期
築15年位の木造住宅に住んでいます。
5年前位に外壁を塗ってもらってから何度となく外壁塗装の工事会社の営業が来ます。
1年2年は塗ってから綺麗だったのですが、その後だんだん塗り替える前に目立っていた緑色の苔の様な汚れが目立ってきました。
外壁を塗り替えた時に10年は大丈夫と説明を受けて塗り替えたのですが心配になってきました。
この苔の様な汚れの原因はなんでしょうか?
また外壁の塗り替えを判断する方法はないでしょうか?
外壁の劣化と苔の生える原因
ご質問頂きありがとうございます。
外壁の塗装については営業が来たという事で弊社に相談頂く内容としてとても多いご相談の一つです。
外壁の塗り替えの判断材料としてどうして塗り替えが必要なのかを知る必要があるかと思います。
・ 劣化と保護
生き物にとって太陽光から発せられる紫外線は殺菌効果や、ビタミンDの生成といった良い影響がある反面、
浴びすぎると人体にも悪影響を及ぼし、物質の多くも紫外線によりダメージを受けていきます。
外壁や屋根がこういうダメージによって劣化する事を防ぐために塗装を行っていると考えれば分かり易いかと思います。
(簡単にイメージするなら日焼け止めクリームですね。)
・ 外壁材で見る耐久性
近年の新築で使う外壁材は外壁メーカーが製造する時に塗装を施して出荷する事がほとんどです。
建築時に紫外線に対して強い材質や塗料を用いているほど外壁の耐久性が高い事になり、
塗り替えの時期についてはその材質によっても判断時期が異なってきます。
外壁材のメーカー「ニチハ株式会社」がHPで出している下記サイト分かり易いのでリンクさせて頂きました。
教えて!サイディングのメンテナンス|新築編|一般のお客様向け|ニチハ株式会社 (nichiha.co.jp)
この内容を見て頂くと分かりますが、
最大で30年塗膜保証が付いている商品があります。
超高耐候「プラチナコート30」|ニチハ株式会社 (nichiha.co.jp)
もちろんいい材料程コスト高となる傾向がある為、
イニシャルコスト(建築時のコスト)とランニングコスト(メンテナンスによるコスト)のバランスを考える必要があります。
この話はまた詳しくできる機会が有れば記載したいと思います。
・ 劣化現象の表面化
外壁の表面の塗膜が劣化するメカニズムと、劣化に強い材料がある事もご理解頂けたかと思います。
ご質問者さんのお宅では、15年前の建築時にどういう材料で建築されたか、
また、5年程前の塗装でどの様な塗料で塗装されたか、
設計図書や見積もりを見ても分からないのではないでしょうか?
外壁塗装の営業はそういうところを見ているのでは無く、劣化現象が表面化している物件に営業活動しています。
表面化してくる劣化現象を列記していくと、
-
外壁表面の汚れの付着(雨汚れ、排気汚れ、苔 等々)
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色褪せや白華
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外壁の割れや反り
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シーリングの痩せや割れ
等の表面化によって塗膜が劣化している可能性があると判断して営業しています。
・ 劣化スピードの違い
劣化現象を早める様々な原因があり、
同時期に同じもので作ったとしても劣化現象が現れるスピードが異なる事があります。
原因としては以下の様な事があります。
-
高温多湿・日射時間が長い等、温熱環境が厳しい
-
排気ガスなど大気の汚れが多い
-
塗装面の痛み(錆び・汚れ・剥離・苔や藻の付着・粗悪な塗面等)
ご質問者さんの場合、上記3の状況が有った事によって劣化が早まった可能性があるのかもしれません。
しかしながら苔の様な汚れと言われる物が、塗膜が健全な状態の上から付着して広がっているだけの可能性もあります。
その場合は汚れを清掃してあげるだけで綺麗になるかもしれません。
気になるのは1年2年は綺麗だったという点です。
塗膜が色褪せているとするのなら劣化現象としてとても早く感じます。
塗膜の痛みが激しいかどうかは表面を触る事で比較的分かり易く判断出来ることがあります。
外壁を触ってみて手に白い粉の様な物が付着すれば塗膜が劣化し、色褪せが生じている証拠です。
付かない場合は塗膜はしっかりしており、清掃する事で綺麗になる可能性があります。
・ 外壁に付着する苔の原因
外壁に苔が付着する原因は適度な湿気と直射日光に当たらないが太陽光がある事です。
外壁が湿気を持つ要因としては様々ですが、
昔の家造りで使われた土壁やモルタル、リシン吹付の様な外壁は湿気を保ちやすく、苔やカビが発生しやすかったと言えます。
近年の窯業系サイディング等でも、湿気をを吸っていたり、表面に長く水が溜まる等する事で発生しやすくなります。
特に近くに川や田んぼ・水路等が多い地域では苔の胞子が付着しやすくなり、発生する原因となります。
この外壁の湿気は雨だけが原因ではなく、夏場の外壁の内部結露や冬場の外壁結露等も湿気を供給する原因になります。
この湿気を効率よく排出させるには外壁内部の通気工法が重要であり、建物の耐久性に大きく影響していきます。
外壁で生じる結露や結露対策については過去に私が説明してきたコラムが有るので下記をご覧ください。
《新築》断熱工事・気密工事について | 「かかりつけ大工」友建の新築 (yuken-daiku.net)
断熱と気密のお話し①:「かかりつけ大工」住まいの相談 | 「かかりつけ大工」友建の新築 (yuken-daiku.net)
断熱と気密のお話し②:「かかりつけ大工」住まいの相談 | 「かかりつけ大工」友建の新築 (yuken-daiku.net)
断熱と気密のお話し③:「かかりつけ大工」住まいの相談 | 「かかりつけ大工」友建の新築 (yuken-daiku.net)
外壁通気工法についてリフォームコラム | 友建 | 「かかりつけ大工」頼れるお家のパートナー
結露対策について | 友建 | 「かかりつけ大工」頼れるお家のパートナー (yuken-daiku.net)
・ まとめ
ご質問内容に対して情報量が多くて大変申し訳ございません。
建物の劣化現象は複雑です。
上記の結露は外壁の劣化だけでなく、建物の柱や土台へも悪影響を与えます。
人間の病気でも肌荒れが酷くて病院で見てもらったら実は内臓の病気だった。
そんなことが有りますよね。
住宅にも同じことが言えます。
その為にも毎年1度信頼できる住宅会社に定期点検をお願いする事は人でいう健康診断と同じです。
塗面の確実な劣化が進行しているなら外壁材に影響が出る前に塗装が必要です。
表面の汚れは塗面の劣化を招きます。
苔などの汚れについては塗面が傷んでなければ掃除をしましょう。
外壁材に影響が出ているなら業者に相談し、的確な施工方法で対処をする事をお勧めいたします。
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