- 雨漏り・結露・白蟻対策
2階ベランダ下の部屋への雨漏り
2階のベランダ下に和室が有り、その天井から雨漏りがしています。
この雨漏りは建築当初から続いており、何社か今までにも修理を依頼してきたが雨漏りが止まりきる事はありませんでした。
これまでにベランダ床や、壁・手すり壁の根元の防水の直しを行ってきました。
雨漏りがどこから発生しているのか調査をお願いしたい。
ベランダ下部屋内への雨漏りの原因
こちらのご相談は実際に現場を拝見し、対処した案件です。
ベランダやバルコニー下の部屋内へ雨漏りがする原因としては様々あります。
雨漏りが起きるとその上部の水平面を気にしがちです。
ベランダやバルコニーならその床のどこかから雨漏りがしていると考えてしまうと思います。
雨漏りはその漏れ方が多い場合は水が溜まりやすい位置からの雨漏りの可能性が高く、
漏れ方が少量の場合はあらゆる箇所からの雨漏りの可能性があると考えるべきです。
雨漏りは一昔前ではドリフターズのコントなどでは笑いに用いられていた様に、
比較的住まいで起きやすい現象でした。
しかしながら、近年の家造りでは防水工事を1次防水と2次防水という形で2段構えで施工する事が一般的になってきています。
これはそういった雨漏りによる建物への影響が耐久性の低下や健康被害等、
様々な形で住まう人に悪影響を与える事が分かってきた為です。
◎ 近年の防水工事
以下のリンクに住宅の品質や性能を評価したり、
住宅瑕疵担保保険の補償を行うJIO(日本住宅保証保険検査機構)の防水工事施工基準のQ&Aのリンクを添付しました。
施工要綱は一般公開されていない為Q&Aを添付しておりますが、
P20~壁の防水工事の説明が為されています。
防水紙や防水テープなどの施工方法が事細かに記載されています。
ここでいう防水紙や防水テープは外壁の仕上げ材の中、
壁の下地に施している防水工事であり、
つまりは仕上部分が「1次防水」、防水紙部分が「2次防水」と言えるわけです。
◎ 今回のご相談者様の雨漏りの原因
ご相談者様の雨漏りの原因を探るにあたり、
床面の防水面の修繕をしていても漏れており、漏れ方が少量である事、
比較的南風を受ける風雨の時に漏れ方が酷い事などをヒヤリングて伺いました。
そこで雨漏りの起きている箇所は水平面では無く、垂直面にあるのではと疑いました。
現地を確認すると、笠木の納まりにおかしい所がありました。
ベランダの手摺の上に覆い被る様に施工されている部材を笠木と言います。
先程のQ&AでいえばP16の下記参考図8-11-1の様に外壁の仕上げ材まで覆うように施工されている必要があります。
この笠木がベランダへ出る為の窓に干渉し、ベランダ内側の外壁仕上の上に乗る様に納まっていました。
この部分から雨水がベランダ手摺の内側に漏れ、壁の内側に侵入する事で雨水が入っていると考えました。
試しにその部分にシーリングを施工し、大雨が降るのを待ってみます。
何度か強い雨が降っても雨漏りが起きる事は有りませんでした。
◎ 雨漏りへの対処
雨漏りの位置は分かりました。
しかしながら本来なら2次防水が機能しているなら雨漏りが起きる事はありません。
つまりは2次防水にも欠陥がある事が分かります。
笠木を外し、外壁を外すことで2次防水が見えてきます。
防水紙を巻いては有るものの、防水テープや鞍掛シート、防水バリア等の施工はされておらず、
防水紙の内側にシミが生じている事から長年雨漏りしていた事が分かりました。
幸い内部の下地に腐れが生じている様子は無かった事から、
2次防水措置を正確に施し、外壁を復旧。
笠木も加工し直す事で正しい施工に修繕しました。
長年悩まれていた雨漏りが無くなって安心して過ごせる様になったと喜んで頂けました。
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