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2020.06.13
木造住宅の耐震性能についての疑問
強度ランク一覧

木造住宅を造っていてお客様からのよくある疑問で、

「耐震等級っていくつなら安全なのか?」という質問をよく受けます。

 

弊社では熊本の地震が発生するまでは耐震等級2等級(構造計算有り)以上を推奨していました。

技術の進歩も目まぐるしく、比較的安価で制震の導入が可能となってきたこともあり、

現在では耐震等級3(構造計算有り)を推奨しており更に制震を追加してお勧めしています。

 

では、耐震等級2等級(構造計算有り)?ってどういう事?

と、疑問を投げかけられます。

今日は耐震等級の疑問について説明していきたいと思います。

 

● 構造計算有りってみんな計算してるんじゃないの?

 

2階建て木造住宅の多くは実はまともな計算が為されていない事が多い事から説明したいと思います。

2階建て木造住宅の場合は法律上は四号建築物と言われ、

建築確認申請の際に壁量図等の構造に関わる図面の提出義務がありません。

すなわちは「申請時に確認されていない」という事です。

しかしながら最低限の基準に適合する必要は有るため、

設計士は1枚から2枚程度の図面に壁量計算図を記載し設計します。

この図面が構造を計算するすべてとなります。

もし間違いなどがあっても建築士の技量に任せられています。

この計算の仕方を「仕様規定による計算」といいます。

 

● その他の計算方法とは?

 

耐震等級2等級や3等級の木造住宅を計算するには「仕様規定による計算」では行う事が出来ません。

2等級以上の設計を行うには

 

● 品確法による性能表示計算(長期優良住宅等)

● 構造計算(許容応力度計算)

 

の2種があります。この計算方法にも違いがあり、

性能表示計算より許容応力度による構造計算の方がより細部まで計算を行っています。

 

違いをまとめた表が下記となります。

耐震等級の計算方法一覧

 

許容応力度計算では柱の1本・梁の1本・基礎に至るまですべての部材にかかる力を計算していきます。

一方、性能表示計算はスパン表等を用いて計算を省略しています。

 

● 異なる計算方法による強度ランクの違い

下記の表は計算方法別の結果をまとめたもので、強度ランクの違いを表したものです。

 

強度ランク一覧

 

かかりつけ大工の友建では長く快適に、「地震災害後も安心して住み続けられる住まい」をと思っています。

それを考えると上記の構造計算有り(許容応力度計算)の耐震等級3等級を推奨しており、

更には制震を組み込んでの無被害住宅を目指しています。

(耐震3等級+制震のお話はまた後日のコラムでお伝えします。)

次回のコラムでは「熊本地震で見る安全な耐震性能とは」を書きたいと思います。

 


 

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2019.03.04
断熱と気密のお話し③:「かかりつけ大工」住まいの相談

こんにちは。

「かかりつけ大工」の友建です。

 

前回までの断熱と気密のお話し②までで基本を話してきました。

今回のコラムでは断熱工事・気密工事が適切に行われている場合の、

お家全体の空気の流れを図にしてみました。

 

まずは、高気密・高断熱と呼ばれる家の断面は下記の様になります。

気密性の低い家の断面

 

かなり細かくなってしまいましたが、ここでお話しする事として、

断熱工事や気密工事は家の省エネ性能を引き上げる重要な工事です。

しかしながら、「家の中を全く換気しない」とする事はできません。

 

なぜなら、人も呼吸をし、宅内で生活するという事は悪い空気も生み出すからです。

また、建築する材料から発生する化学物質やホルムアルデヒド等は、

自然界でも発生するものである事から、

建築基準法で最低限換気する事が定められているからです。

気密工事の結果が完全に密閉された空間だとすると、

換気するだけだったら空気が無くなってしまいますよね。

高気密の家だと換気と同様に吸気も検討する必要があります。

この換気と吸気のお話はまた後日詳しくお話ししたいと思います。

 

今回は断熱と気密のお話の続きとして、

気密と断熱の工事が不十分な場合におきる。

「換気以外の空気の流れによる」住環境への影響を話していこうと思います。

 

このコラムの始めに載せた建物で、

断熱と気密に欠陥が生じている様子を表した図が下記になります。

低気密の家の断面

この図で赤い→となっている部分が気密の欠陥部分。

上記の図との違いで判る断熱部分の欠損部分が断熱の欠陥部分となります。

気密がきちんとなされないと、家は隙間風だらけになります。

 

「底冷えがする」っと話をされることが多いと思います。

暖かい空気は軽くなり、上に上がる為、

部屋内の天井に近い方が暖かく、床に近い方が冷たくなります。

高気密・高断熱の家だとこの差が無くなっていき、

部屋全体が暖かく感じられます。

 

しかしながら、隙間風の多い家だと、

上部に上がった暖かい空気が隙間を通って二階や外気へ流れ出てしまい、

その空気の流れは床下から冷たい空気を呼び込みます。

これが「底冷え」の正体です。

 

もう一つ室内で過ごしていて体感温度を下げるのが、壁や床・天井の冷えです。

断熱を施しても、その中を隙間風が吹き抜けてしまう事で冷えてしまいます。

 

一つ例を挙げます。

部屋の温度を20℃とします。

この時の壁の表面温度が12℃だとしたとき、

人が感じる体感温度は、

 

体感温度 = (表面温度+室温)/ 2 

 

で求めることができます。

 

つまり、

体感温度 = (12℃ + 20℃)/ 2 = 16℃

となります。

 

室温20℃なら快適な温度ですが、窓の近くに寄ると「冷や!」って感じますよね。

これが体感温度による冷えです。

 

隙間風というものが、快適な住環境に及ぼす影響は、

これまでに記載した内容でほぼ理解が出来ると思います。

断熱の欠損も体感温度を引き下げる要因になります。

断熱と気密についてのお話の補足は後日行いたいと思います。

 

次回からは、「内部結露」についてお話したいと思います。

上記図に記載している。

建物の床下や外壁の内側、天井や小屋裏等の空気の流れにも関係します。

この空気の流れは建物内部の換気と同様に、設計時に意図して設けるものです。

 

この設計は、内部の断熱・気密とセットにして考える必要があり、

建物の耐久性に対して非常に重要な役割を担っています。

是非次回もご覧ください。


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2019.01.28
断熱と気密のお話し②:「かかりつけ大工」住まいの相談

こんにちは。

「かかりつけ大工」の友建です。

 

前回のお話に続いて、「断熱と気密のお話し②」と題してお話ししたいと思います。

前回の「断熱と気密のお話①」では断熱の基本となる話をしました。

今回は気密の基本を話したいと思います。

 

気密工事とはどんな工事?

 

気密工事は簡単に言うと、「建物内に侵入する隙間風を無くす。」

そう考えて頂けると理解しやすいかと思います。

しかしながら逆の考えも起きてきます。

「悪い空気も閉じ込めてしまう。」事です。

人間が活動すると様々な悪い空気も宅内で生み出していきます。

その為、換気する性能は設計上必須でもあります。

 

つまりは、宅内を流れる空気の流れを設計し、

設計通りに空気が流れる必要が有る事が分かります。

実はこの為にも気密工事は重要なのです。

宅内の空気を入れ替える時に隙間風が発生すると、宅内の空気が計画通りに流れなくなり、部屋の片隅が淀んでしまったりします。

暖房時では隙間風周辺から底冷えを感じたり、冷房時では暖房が効きにくかったりと省エネ性能に対して著しい悪影響を与えます。

 

24時間宅内を換気する必要があり、

この計画は機械換気や自然換気を用いて設計していきます。

住宅事業者によってその計画も様々ですので、この話もいつかしたいと思います。

 

卓越風を利用した計画的な採風

 

夏場に卓越風を利用して宅内に風を取り入れて快適に過ごす事も必要です。

例として、

 

 

副田邸断面2

 

この写真は宅内に風を取り入れ、吹き抜けを利用して家全体を換気する計画の様子です。

冷房を使わずに快適に過ごす為には、断熱だけでなくこういった計画も必要です。

しかしながら、近年の暑さは異常ですよね。

特に昨年は記録的な猛暑が続き、もはや「天災」と言われました。

この状況だと、単純に風を取り込めても快適には過ごしきれません。

 

そうなると、窓を閉めて冷房を効かせます。

この時には、断熱と気密の性能が大きく影響してきます。

これは暖房時も同様です。

 

隙間風はどの様に発生するのか?

 

隙間風を理解するために、

下記の図を利用して説明したいと思います。

この図は基礎と土台、床の断面図になります。

この図は左側が計画的な風の流れ、

右側が計画外の風の流れを示しています。

つまり、隙間風が発生している様子を右側は表しています。

床下換気に伴う隙間風

 

 

前回のコラムでも記載しましたが、

断熱工事を行う箇所は外気と接する部分を施工します。

図で外と記載している箇所は室外側「外気」、

内と記載している箇所は室内側「内気」となります。

その接する部分に隙間が発生する事で右図の様な隙間風が内気に抜けていきます。

 

この隙間風は基礎周辺だけでなく、壁や天井、小屋裏等施工が雑であるほど発生していきます。

そうならない為にも丁寧な断熱工事と気密工事が重要となります。

 

結露発生の要因へ

 

もう一つ建物や住環境へ悪影響を与える要素として、隙間風周辺で起きる「結露」という現象があります。

この現象は特に冬場に発生します。

宅内では人の活動や暖房により室温が上がり空気中の水蒸気量があがります。外気は冷えて乾燥していきます。

この内気が外気に触れたり、壁板やガラスが外気により冷やされる時に結露が発生していきます。

この現象については弊社コラム「断熱工事・気密工事について」でも触れているのでこちらで読んでいただければと思います。

 

この結露はこのまま乾燥せずに進行し続けるとカビが発生したり、腐ってしまったり、白蟻の発生等。

建物を劣化させる要因となってしまいます。

この現象がもし発生した時に建物を守るために重要な工事が、「外壁や屋根の通気工法」です。このお話も後日記載したいと思います。

 

まとめ

 

① 計画的な空気の流れを計画する為に気密工事は重要。

② 気密工事が雑だと隙間風が発生し、暖房性能や冷房性能を下げる。

③ 隙間風が発生すると「結露」が発生し、建物に重大なダメージを与える。

 

次回のコラムでは断熱工事について、①と②の内容を合わせて説明していきたいと思います。

 


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