2016.04.07
生活の中で何気なく存在している「壁」や「天井」。一体何でつくられているかご存知ですか?
コンコンと叩いてみると硬くて強度がありそうです。クロス(壁紙)の下にいるのはどんな部材なのでしょうか。
その正体は「石膏(せっこう)ボード」です。
石膏ボードとは、石膏を主成分としたものを板状にして、紙で挟んだボードのことをいいます。
遮音・耐火性が高く、非常に丈夫なのですが、重量がかなりあるため、用途によってサイズや種類を使い分けながら施工していきます。
今回は石膏ボードの施工理由、施工ポイントについてご説明します。
なぜベニヤ板ではなく、石膏ボードを使用しているのか。
それは最初に記載したように、石膏ボードは強度・遮音性・耐火性が高いため最近の新築住宅やリノベーション物件では主流となっています。クロスを貼るために面を作っているだけではなく、壁や天井を補強し・防音し・耐火性を確保するための面材としての役割も担っているのです。
そして我々大工にとってもとてもありがたいことに、加工がとてもしやすく、施工が比較的容易に行うことが出来ます。
いかがですか?普段はクロスに隠れて姿を見せない石膏ボードですが、かなり優秀で欠かせない存在ですよね。
石膏ボードにも施工のポイントや注意点がいくつもあります。順番に説明させていただきます。
1.ビスを打つ際にピッチが広くなりすぎないようにする
2.下地にしっかり押さえつけながら施工する
3.目地に木工ボンドを塗る
4.ビスの頭がはみ出てしまうときはドライバーで沈める
5.ビスは深過ぎず浅過ぎず打つ
1.ビスを打つ際にピッチが広くなりすぎないようにする
ピッチというのは建築用語で言う間隔です。ビスの間隔が広くなりすぎると石膏ボードが弱くなり、面材としての強度を保てなくなります。
そのためビスのピッチは次のように決められています。
ボードに対して中央部に打つ場合⇒200mm(20cm)間隔
ボードの隅のほうに打つ場合⇒150mm(15cm)間隔(ですが、友建では120mm(12cm)としています)
2.下地にしっかり押さえつけながら施工する
石膏ボードに打つビスが足らなかったり、固定が甘かったりすると石膏ボードが浮いて『フカフカ』してきてしまいます。壁が『フカフカ』してる家なんて、あまりにも頼りなくて住みたくありませんよね。壁紙が割れる原因にもなります。
3.目地に木工ボンドを塗る
部材と部材の継ぎ目のことを目地(めじ)といいます。(玄関やポーチに敷かれているタイルをイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。)
「どうせ上からクロスを貼ったら見えなくなるんだからいいんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
では、どうして目地にわざわざ木工ボンドを塗るのでしょうか。
目地に木工ボンドを塗って部材同士をしっかり固定することで、ボードに対して横に力が加わってもボード同士に隙間が空いてしまうのを防ぎクロスがしわになったり剥がれたりするのを防ぎます。
隙間が空いたり閉じたりすれば当然クロスにしわがよってしまいますよね。
4.ビスの頭が出てきてしまうときはドライバーで沈める
ボードを止める際に使用するビスは、必ず石膏ボードの表面よりも少しだけ沈めておく必要があります。
クロスを貼る際にビスの頭が邪魔をしてしまい、表に見えてしまったり、クロスが破れてしまうかもしれません。
頭の出ているものはひとつ残らずドライバーで沈めます。
打ちづらい隅のビスもこのようにしてしっかりと沈めておきます。
5.ビスは深すぎず浅すぎず打つ
深すぎると強度が減り、浅すぎると石膏ボードがしっかり固定されず壁としての強度が低下したり、クロスがうまく貼れない原因になるためビスは深すぎず浅すぎず打ちます。
これらの点をしっかり守る事で初めて、石膏ボードは家を支えるための強度、安全性を発揮する事が出来ます。
また、部屋の顔とも言えるクロスを綺麗に貼る事ができるようになり、美しい家が完成していくのです。
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