2019.01.28
こんにちは。
「かかりつけ大工」の友建です。
前回のお話に続いて、「断熱と気密のお話し②」と題してお話ししたいと思います。
前回の「断熱と気密のお話①」では断熱の基本となる話をしました。
今回は気密の基本を話したいと思います。
気密工事は簡単に言うと、「建物内に侵入する隙間風を無くす。」
そう考えて頂けると理解しやすいかと思います。
しかしながら逆の考えも起きてきます。
「悪い空気も閉じ込めてしまう。」事です。
人間が活動すると様々な悪い空気も宅内で生み出していきます。
その為、換気する性能は設計上必須でもあります。
つまりは、宅内を流れる空気の流れを設計し、
設計通りに空気が流れる必要が有る事が分かります。
実はこの為にも気密工事は重要なのです。
宅内の空気を入れ替える時に隙間風が発生すると、宅内の空気が計画通りに流れなくなり、部屋の片隅が淀んでしまったりします。
暖房時では隙間風周辺から底冷えを感じたり、冷房時では暖房が効きにくかったりと省エネ性能に対して著しい悪影響を与えます。
24時間宅内を換気する必要があり、
この計画は機械換気や自然換気を用いて設計していきます。
住宅事業者によってその計画も様々ですので、この話もいつかしたいと思います。
夏場に卓越風を利用して宅内に風を取り入れて快適に過ごす事も必要です。
例として、
この写真は宅内に風を取り入れ、吹き抜けを利用して家全体を換気する計画の様子です。
冷房を使わずに快適に過ごす為には、断熱だけでなくこういった計画も必要です。
しかしながら、近年の暑さは異常ですよね。
特に昨年は記録的な猛暑が続き、もはや「天災」と言われました。
この状況だと、単純に風を取り込めても快適には過ごしきれません。
そうなると、窓を閉めて冷房を効かせます。
この時には、断熱と気密の性能が大きく影響してきます。
これは暖房時も同様です。
隙間風を理解するために、
下記の図を利用して説明したいと思います。
この図は基礎と土台、床の断面図になります。
この図は左側が計画的な風の流れ、
右側が計画外の風の流れを示しています。
つまり、隙間風が発生している様子を右側は表しています。
前回のコラムでも記載しましたが、
断熱工事を行う箇所は外気と接する部分を施工します。
図で外と記載している箇所は室外側「外気」、
内と記載している箇所は室内側「内気」となります。
その接する部分に隙間が発生する事で右図の様な隙間風が内気に抜けていきます。
この隙間風は基礎周辺だけでなく、壁や天井、小屋裏等施工が雑であるほど発生していきます。
そうならない為にも丁寧な断熱工事と気密工事が重要となります。
もう一つ建物や住環境へ悪影響を与える要素として、隙間風周辺で起きる「結露」という現象があります。
この現象は特に冬場に発生します。
宅内では人の活動や暖房により室温が上がり空気中の水蒸気量があがります。外気は冷えて乾燥していきます。
この内気が外気に触れたり、壁板やガラスが外気により冷やされる時に結露が発生していきます。
この現象については弊社コラム「断熱工事・気密工事について」でも触れているのでこちらで読んでいただければと思います。
この結露はこのまま乾燥せずに進行し続けるとカビが発生したり、腐ってしまったり、白蟻の発生等。
建物を劣化させる要因となってしまいます。
この現象がもし発生した時に建物を守るために重要な工事が、「外壁や屋根の通気工法」です。このお話も後日記載したいと思います。
① 計画的な空気の流れを計画する為に気密工事は重要。
② 気密工事が雑だと隙間風が発生し、暖房性能や冷房性能を下げる。
③ 隙間風が発生すると「結露」が発生し、建物に重大なダメージを与える。
次回のコラムでは断熱工事について、①と②の内容を合わせて説明していきたいと思います。
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